深層水とは?
海洋深層水とは、大陸棚より沖合で太陽光が届かない水深にある海水のことで、現時点で確立された定義はなく、一般的に「水深200m以深の海水」という意味で使用されています。 「富山の深層水」を育んでいる富山湾は、広さが約2,120平方キロメートル、最深部が1,000m以上あり、駿河湾や相模湾と並んで我が国で最も深い湾の一つです。
富山湾は、大きく分けて三つの層で構成されており、海岸に近いところには河川などの影響を受けた塩分濃度の低い「沿岸表層水」、その下層から200~300メートル付近には「対馬暖流系水」、そして300メートル以深には低温の「日本海固有水」が無尽蔵に存在し、この日本海固有水が「海洋深層水」と呼ばれ、富山湾の容積の約6割を占めています。
海洋深層水には、「低温安定性」、「富栄養性」、「清浄性」という三つの大きな特長があります。低温性を利用し、トヤマエビなど冷水性魚介類の増養殖に活用しています。これまで表層水を生存環境に適した低温まで下げていたコストを大幅に抑えることができました。
また、人間が必要とするカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分をバランス良く含んでいる海洋深層水は、健康飲料や食品、医薬品などの分野でも注目されています。
富山県では、この限りない可能性を秘める資源を有効に活用しようと、県内大学、公設試験研究機関、企業等が産学官が連携・協力し、海洋深層水の研究開発や商品化に取り組んでいます。